
現状の外側を照らす
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- 新刊「セルフコーチング原論 ─人生が変わるメカニズムとセルフコーチングの構造的解説」
人生が変わらない本当の理由は“能力”ではなかった——人の認知構造を図解で読み解く新刊 LIGHTHOUSE Publishing あわい出版より「セルフコーチング原論 ー人生が変わるメカニズムとセルフコーチングの構造的解説」発売のお知らせです。 コーチングという言葉が広く普及した今、問われているのは「コーチングとは何か?」「コーチングで、なぜ人生が変わるのか?」といった疑問です。 本書は、これらの問いのひとつの答えとして「人生が変わるメカニズム」そのものに焦点を当て、人の認知構造や可能世界を紐解きます。さらに、誰もが行える自分自身へのコーチング(セルフコーチング)を実践する上で理解しておくべき前提やマインドの構造、取り組みへの姿勢までを丁寧に解説。自分の人生を主体的に生きる意味と意義を、深く探究できる一冊です。 ◆本書の特徴 ・最新の認知科学に基づくコーチング理論を解説 ・8編のコラムで理論の本質を解説 ・B5判カラー図解で構造のイメージを捉えやすい ・セルフコーチングの知識や実践力が身につく ・チームを率いるリーダー(自身またはチームメンバーのセルフコーチング)に役立つ ・コーチとしての活動(自身またはクライアントのセルフコーチング)に役立つ ◆読者が得られるメリット ・現在の思考や行動の前提に気づく ・変われなかった理由が腑に落ちる ・自己理解が深まる ・認知(マインド)のしくみが分かる ・セルフコーチングの前提が身につく ・新たな可能性に気づく ・行動が自然に変わる ・より本質的なゴールが見える 書籍情報 タイトル: セルフコーチング原論 ー人生が変わるメカニズムとセルフコーチングの構造的解説 発売日: 2026年5月1日 価格: 2,200円(税込) size: B5判(図解カラー) page: 72ページ 詳細: https://awai-pub.stores.jp/items/6a5711a503594541c06178f2 「セルフコーチング原論」制作の裏側 ━企画編集者より 本書は、LIGHTHOUSEのオンラインセミナーから誕生しました。セミナー受講者様限定の配布資料をブラッシュアップしていく中で内容が充実してきた点を踏まえ、さらに多くの方にお役立ていただけるのでは?と考え、書籍化しました。セミナーで使用していた人の認知構造を解説する図解をB5判カラーで取り入れ、文字も大きめにすっきりレイアウト。年代を問わず、多くの方に読みやすい形に仕上げました。 著者の沼田慶幸コーチは、大学時代からコーチングの研究・実践を重ね、セルフコーチングについての洞察も深く、その伝授を得意としています。セミナーという素材はありましたが、今回の書籍化にあたり約3ヶ月間、沼田コーチとともに構成や内容について検討と改善を重ねました。 今後、同名のセミナーは実践編へと展開します。そして、こちらも内容を精査し、今作の続編(応用・実践編)として書籍化を予定しています。これらの書籍がセルフコーチングにご興味をお持ちの多くの方のお手元に届き、未来に貢献できることを心から期待しています。 メディア実績: PRESSNOWに掲載されました 今回の書籍が PRESSNOW に掲載されました。 *PRESSNOW 掲載ページ https://pressnow.jp/2026/05/11/the-lighthouses/
- 新概念の発見と定義: Ourselves Coaching について
2026年5月28日、角井雅子コーチのYouTube Liveに出演し、新概念である「Ourselves Coaching」について話しました。同概念の定義と発見の経緯は以下のとおりです。 Ourselves Coaching とは? Ourselves Coaching とは、集団の構成員1人1人が、自分を含む集団(Our group)に対して行うコーチングのこと。心理学や社会学において、集団(グループ)は2人以上から成立するため、Ourselves Coaching が成立する最小単位も「2人」である。 新概念の発見 私たちの人生の多くの場面に、2人または少人数グループの関係性の質が影響します。例えば、恋人、夫婦、親子、きょうだい、同僚同士、上司と部下、ビジネスパートナーなど。特に個人的かつ密接な関係性ほど、様々な要因から「システムとしてのコーチングが機能しづらい」という側面が言及されてきた事実もあります。しかし、人生の多くの場面に影響を及ぼす関係性の場にこそコーチングマインドが必要であり、その機能によって人生の質の向上や周囲への好影響がもたらされることが期待できます。 そこで、既存の概念「セルフコーチング(Self-Coaching)」のSelf(私自身)を複数形のOurselves(私たち自身)に変えることを思いつきました。Ourselves Coachingが成立する場において共有されたゴールに向かう際、集団は「1人の人間」のように機能します。このとき、絶対条件は「共有ゴールに対しては、集団が、まるで1人の人間のように機能するが、各構成員の尊厳と境界線は徹底的に守られている」というものです。 現実的には、例えば、夫婦間で共有している「あるゴールに対しては、2人が一体の存在としてOurselves Coaching が機能」します。同時に、それぞれの「個人としての尊厳や境界線は完全に守られている状態」です。 造語と定義の経緯 ━1つのゴールに対し集団が一体になることのメリット Ourselves Coachingという概念の発見・造語は、Performance Enhancement Coaching by Dr.Tomabechi & Louis E. Tice™(TICEコーチ)の國見亜希子が行いました。概念の定義は、主に、同じくTICEコーチ/苫米地式コーチング認定コーチの沼田慶幸さんによって行われました。 同概念の発見の背景には、新刊「セルフコーチング原論 ─人生が変わるメカニズムとセルフコーチングの構造的解説」の制作があります。同書は、沼田さんが執筆し、國見が企画/編集を行ったものです。 今回、私たちには「書籍を作る」という1つのゴールがあり、当初は、各自がセルフコーチングを行う中で制作が進みました。制作中は、当然ながら実作業での役割分担や確認、意見の擦り合わせ等を繰り返し行います。 仮に、意見の相違、何らかの誤解、実務的なミス等が発生した際、「1人+1人」という発想が前提になっている場合は、原因究明や責任の追求で終わってしまうことが多々あると思います。このことは、前述の様々なペア(恋人、夫婦、親子、きょうだい、同僚同士、上司と部下、ビジネスパートナーなど)において日常的に陥りがちな状態とも言えます。 一方、Ourselves Coaching(1つのゴールに対しグループ一体)が前提になっている場合は、原因究明や責任の追求だけに止まらず、瞬時に「ゴールに対して今、私たちにできることは何か」という未来思考へのスムーズな切り替えが可能となります。この+α が、OurGroup(Ourselves)のマインドを醸成していきます。 他のコーチングとの違い ・セルフコーチングとは|自分自身(Self)に対するコーチング ・コーポレートコーチングとは|外部のコーチが、集団・組織(Corporate)に対して行うコーチング ・アワーセルブスコーチングとは|集団の構成員1人1人が、自分を含む集団(Our group)に対して行うコーチング Ourselves Coachingの成立条件 集団の構成員1人1人が コーチの素養を身につけていること。 他の構成員を介して全員がネットワーク状に繋がっていること。 自分自身及び集団内で直接的に繋がりのある人物にとってコーチであり続けること。 「集団全体のゴールの共有」や「コレクティブエフィカシー」は、Ourselves Coachingの成立条件ではありません。Ourselves Coachingが実践されている集団では、結果として集団全体のゴールが構成員1人1人に共有され、コレクティブエフィカシーが形成されます。 Ourselves Coachingの特徴 集団全員によって自然と共創された抽象度の高いゴールが設定される。 個人の抽象度が下がっても、集団から離脱しない限り、他の構成員との対話や関わりの中で抽象度が自然に戻る。 Ourselves Coachingの状態にある集団では、先に人が集まり、関わりの中から自然とゴールが生まれます。一方、その他(従来)の集団の多くは、先にゴールがあり、そのゴールのもとに人が集まってきます。このように両者では「ゴールの成り立ち」と「集団の成り立ち」が構造的に真逆になります。 また、Ourselves Coachingの状態では「集団との関わりそのもの」が抽象度の高いゴールを保持する土台となります。よって、その集団の一員として存在し続けることで抽象度の低下は一時的なものとなります。このことが、ゴール実現への過程に起きやすい「手段の目的化」を防ぐため、各々のセルフコーチングの質を高めやすい環境と言えます。 動画資料: Ourselves Coaching ━チームで目指すゴールの実現方法 以下の動画で、より詳しい解説を行なっています。解説動画は ⏯️ 6:21〜18:08 です。 今回は、骨子のみの紹介に終わりましたが、今後、オンラインセミナーで、Ourselves Coaching全体構造と本質的意義について詳しくお伝えしていきます。
- 自分への影響を選ぶ ー「誰の言葉に耳を傾けますか?」という問いから見える "意志と責任"
あなたは、誰の言葉に耳を傾けますか? 私たちは、日々多くの情報に囲まれて生きています。メディアからも多くの情報が流れてきますが、私たちが最も強く影響を受けるのは、やはり人です。それも身近な人や気になる人の言動ほど、その影響力は大きいものです。家族やパートナー、友人、仲間、同僚などの変え方、価値観、言動には、誰もが少なからず影響を受け続けているものです。 コーチングの創始者であるルー・タイスが遺した言葉に「誰の言葉に耳を傾けますか?」という問いがあります。この言葉から、私たちは「誰の言葉(考え方や価値観)を採用するのかは、自分で選ぶことができる」ことが分かります。このことは「自分が誰の影響を受けるのかを自分の意思で取捨選択する」という意味も含まれています。私たちは、自分にもたらす影響を完全にコントロールできるのです。 自分にもたらす影響をコントロールできると、自分にとって価値のない情報に、時間や労力を使わずに済みます。私たちが陥りがちな落とし穴として「過去に何らかの摩擦が生じた人物[A]の言動をいつまでもフォローし、その言動についてあれこれ考えて批判する」という行動があります。この行動は、自分への[A]の影響を、自ら強める行為です。相手を認めたくない気持ちや自分の正当性を証明したい一心で、フォローや批判を続けるのですが、その間、ずっと自らの心に[A]の影響力を強めることになります。本来なら影響を受けたくない相手に、いつまでも影響力を持たせ、その威力を強めているのです。 感情が負の方向へと傾く時、気になる相手の存在や言動は、自分が心から望んで手に入れたい影響力なのか? と冷静に自問すべきです。特に、セルフコーチングを行なっているのであれば、相手からもたらされる影響が「自分のゴールに必要か否か」という視点で、正しく判断することが必要です。ゴールに必要なら、ゴールに役立つ形で活用しましょう。もしゴールに不要であれば、貴重な時間や労力を割くのは無駄です。 自分を生きるために "影響"を選ぶ ゴールに基づく取捨選択が感情的に難しい場合は、影響を受けたくない相手をいつまでも気にする理由にも着目してみましょう。心のどこかで「本当は理解してほしかった」「もっと丁寧に話を聞いてほしかった」「自分を受け止めてほしかった」など、相手への期待があったのかもしれません。または「本当は理解したかった」「もっと話し合うべきだった」といった自責や後悔の念が潜んでいる可能性もあります。どんな感情も、どんな本音も、無視せず、自分自身で受け止めることで、次のステップに進むことができます。問題解決の鍵は、相手の言動ではなく、いつも、自分のマインドの中にあります。 自分への影響を選ぶこと。それは、自分の状態に責任を持つということです。自分は、誰から、どんな影響を受けたいのか。これを自分の意志で決定することで、自分の意識状態やゴールへの道のりに責任を持つことができます。そして、自分の状態に責任を持つことができれば、人の目や言動が全く気にならなくなります。相手は相手、自分は自分でいいのです。考え方や価値観や意見が異なるのは、当たり前のことです。もし相手が無責任な態度や人の足を引っ張るような言動を示していても、それもまた相手の現状の選択であり、その選択の責任を負うのは相手なのです。 I manage my own mind. ーLouis E. Tice 自分のマインドを掌握し、自分への影響を管理しましょう。その権利は、他の誰でもない、あなた自身の手に握られています。どんなに近しい人であっても、その権利を、明け渡してはなりません。もしその権利を明け渡してしまえば「自分ではない誰かを生きること」になってしまいます。あなたには、あなたを生きる権利があります。他の誰でもない、あなただけの道を歩む時、あなた自身に影響を与える対象や内容については、よく吟味する必要があります。
- コーチングの中心概念 ー「現状の外側のwant toゴール」の設定
現状の外側のwant toゴール コーチングの中心概念は「ゴール設定」です。ゴールは、しばしば「目標」とも混同されますが、イコールではありません。目標というと、例えば「今年の売上目標」「資格試験の合格」など、具体的かつ実用的な状態を表すことが多いのではないでしょうか。そして、目標を達成するとは、その具体的かつ実用的な状態を突破するというイメージが強いでしょう。しかし、人生のゴールを思い描く時、必ずしも具体的・実用的なものである必要はありません。 コーチングにおける「ゴール」には、①現状の外側であること、② want to ゴールであること、という2つの鉄則があります。この2つの鉄則は、コーチがクライアントに対して行うコーチングにおいても、自らに働きかけるセルフコーチングにおいても、変わりません。もしゴールの世界が、現状維持や、〇〇しなければならない(have to)という理由から描かれた世界なら、コーチングのシステムは十分に機能しません。その場合は、コーチングとは別の何らかのシステム(例えばコンサルティングやカウンセリング)と言えます。 「現状の外側」とは、現在の自分では想像すら難しい未来です。想像しようにも、ぼんやりとしていて鮮明に思い描くことが難しい。現在の自分が、何をどのように行えば実現できるのか、達成方法が見えない。そのようなゴールです。想像すら難しく達成方法も見えないゴールを、一体、どんなふうに叶えるのか? その鍵は、私たちの無意識にあります。 私たちの無意識は、目的に向かっていく性質を持っています。この性質を、テレオロジカル(目的的志向)と言います。テレオロジカルとは、心から望むこと(want to)は、どんな障壁があろうと、ごく自然に達成してしまう力のことです。私たちは、誰もがこの偉大な潜在能力を持っており、心から望むことに向かう時、そのゴールは誰が何と言おうと達成してしまうのです。 陥りがちな「理想的な現状のゴール」 一方で、ゴール設定の際に落ち入りがちなのが「理想的な現状のゴール」を選択してしまうことです。人は、生得的に未知に対して不安や恐怖を抱きます。いわゆるリスク回避です。よって、ゴール設定の際に、つい自分が経験してきた状況をベースにゴールを考えようとしてしまいます。例えば、過去に評価されたことや、すでに経験してきた分野、現在の人間関係などをもとにゴールの世界を描こうとするのです。 理想的な現状のゴールでは、どんな挑戦も、現状を肯定し、それらを維持するための手段になります。理想的な現状のゴールの方が、鮮明なイメージが描きやすく達成方法も明確ですから「目標」にしやすいでしょう。そこに向かっていくプロセスにおいても手応えを感じやすく「挑戦している感」が得られやすいかもしれません。しかし、現状の外側の want to ゴールでなければ、無意識の力が最大限に発揮されません。ここが、注意すべき点です。 人生のゴール 「人生のゴールは漫然としたものでかまわない」。これは、コーチングの創始者であるルー・タイス、そして、ルーとともにコーチング理論を構築し最新の認知科学を取り入れ続けている苫米地英人博士の言葉です(苫米地英人. AFFIRMATION「言葉」があなたの人生を決める. フォレスト出版, 2013, p.23)。漫然としながらも、他者評価から離れた自分の want to であること、誰に止められてもやってしまうほど好きなこと、ワクワクすること。そして、現状の自分では到底、達成できないと感じるような未来。それが「現状の外側の want toゴール」です。 「現状の外側の want to ゴール」は、過去に何となく諦めてしまったことや、現状において、どこか不安や恐怖を感じていることにこそ、眠っている可能性があります。あなたにも「本当は○○だったら最高だけど」と思うような世界が、あるはずです。それらは、いわば人生のゴールの原石です。漫然としたイメージでも、達成方法が見つけられなくても、その最高の状態をゴールにしてみましょう。達成方法は、ゴールに向かう中で必ず発見できます。
- マインドと身体の関係 ー自己を変える基盤としての身体
マインドとは何か マインド[Mind]とは、一般的に、私たちの思考や感情、知覚、記憶、意志といった心理的現象の総体を指す言葉です。 マインドの定義は心理学や哲学、認知科学などの分野で多様に議論され、その解釈は研究分野や理論的背景、文脈によっても異なります。世界的認知科学者の苫米地英人博士はマインドを端的に「脳と心」と定義しています。言い換えると、マインドとは「私たちの脳と心が持つあらゆる機能のこと」です。 マインドは、私たちの人生のあらゆる判断や選択・行動に影響を与えています。 私たちが何かを判断する時には、脳と心で知覚した感情や価値観、思考、意志などが「起点」になっています。さらにマインドには意識的なプロセスだけでなく無意識的なプロセスも含まれます。ここでの意識と無意識の違いは「自覚の有無」です。自覚の有無に関わらず、私たちは日々マインドを起点に、さまざまな判断や選択・行動を行なっています。 マインドと身体の関係 マインドは、身体から独立した「抽象的な存在」ではありません。 マインドを生み出す「脳」は神経系を司る身体の一器官です。そして脳を通じて生まれる「心」の働きもまた、ホルモンバランスや自律神経、内臓の状態と密接に関係しています。例えば「呼吸が浅くなると不安や緊張を感じやすい」「不安や緊張を感じると呼吸が浅くなる」。この2つは、どちらも多くの人が身をもって経験しているのではないでしょうか。このように、マインドは「身体から独立した抽象的な存在」ではなく、身体と密接につながって相互的に機能していると言えます。 身体は、マインドを構成する重要な要素です。 私たちの体内では、マインドに影響を与える「さまざまな情報」が細胞レベルで絶え間なく行き来しています。人間は長年「脳が身体に指令を出している」と考えてきました。しかし近年の研究では、私たちの脂肪や筋肉、骨の細胞が、さまざまなメッセージ細胞を通じて「脳に指令を送っている」ことが確認されています。 体調を整えることが、マインドを変える基盤となります。 前述の呼吸の例では「呼吸を整える」ことで不安や緊張を和らげることができます。これは身体の状態を変えることでマインドを変化させるアプローチです。心理学や自己啓発などマインドを扱う分野では、自己認識や解釈といった「認知を変えるアプローチ」が重視されがちです。しかし実際に私たちの認知が変わる際には、マインドの構成要素である「身体の状態」がマインドに直接的に影響を与えています。ですから「日々の体調を整えること」が、マインドを変える重要な基盤となります。 自己を変える基盤としての身体 私たちのマインドの状態は、睡眠・栄養・運動・血流・ホルモンバランスなど、複数の要素によって生み出されています。 マインドが身体の影響をダイレクトに受けている以上、人間の認知だけを変化させようとしても無理が生じます。マインドを望む状態に整えるためには、脳と心を含む身体全体の状態に意識を向け、影響要因を考慮し、質やバランスを向上させる必要があります。以下に、マインドを整えるためのバランスホイールの一例を示します。 左側がメインのバランスホイール、右側が「食」のサブバランスホイールです。 身体の状態を整えることで自ずとマインドも整い、自分の望みや意志を抵抗なく行動に反映させることができます。 なぜなら、マインドを良い状態に維持できると、自らのエネルギーを身体の回復や感情の整理、思考の軌道修正などに必要以上に割くことなく「やりたいこと」に注ぎ込めるからです。反対に、マインドが不安や恐れ、否定感、無力感などを感じている時は、自身を「本来の力が発揮される自然な状態に戻す」回復力が必要になります。身体に痛みがある時に創造性や集中力が失われるように、心に回復すべき事象がある状態では創造性や集中力が十分に発揮されません。やりたいことがあるのに、なかなか進まない。その理由の一つとして、やりたいことに注ぐべきエネルギーが、回復や調整に奪われていることが考えられます。 エフィカシーを高める有効な方法の一つが、体調を整えることです。 エフィカシーとは「ゴールに対する自己能力の自己評価」のことです。エフィカシーが高いと「○○したい」「○○になりたい」とゴールを描いた時に「自分には達成する力がある」と自己評価します。この「当然の確信」がある時、私たちは誰に何と言われようと、達成方法を探りながら進んでいくことができるのです。エフィカシーを高めるための要素は複数ありますが、すぐにできることの一つが、体調を整えることです。 整ったマインドが生み出す世界 良い体調と整ったマインドを維持することで「やりたいことを好きなだけ」行うことができます。 例えるなら、燃費の良い車のようなものです。車の状態が良くエネルギーを効率的に使うことができれば、遠くの目的地まで快適に走ることができます。私たちも同様にマインドを乗せるBODYの状態が良いとエネルギーが潤滑に流れ、心ゆくまでやりたいことに打ち込むことができます。そして走行実績(成功体験)が増えるほど「もっと遠く」「未知の場所へ」「自分なら必ず到着する」と高いエフィカシーで新たな目的地を目指していけるのです。
- 信念が人生にもたらす影響① ー「信じていること」が現実を形作る
信念とは何か 信念[Belief]とは、私たちが無意識に "そうである” と受け入れている前提のことです。 例えば、これまで身をおいてきた環境やさまざまな経験の中で "感情的に受け入れた" 考え方や価値観も信念のひとつです。私たちは、この世界を "ありのままに" 見ているようで、実際には "自分が信じるように(見たいように)" しか見ていません。心理学では、こうした無意識の前提や枠組みのことをスキーマと呼び、私たちの思考や感情、行動を強く方向づけていると考えます。 信念は実際にどのように現実を形作っているのか 信じていることが、実際にどのように現実を形作るのかーー。その影響と結果について、2つの例を示します。 ◆心の奥に欠乏感を抱いているXさん 信念:「私はまだ足りていない」 Xさんの心の奥にはいつも「まだ足りていない」という欠乏感があります。言い換えると「“まだ足りていない自分”を信じ続けている」状態です。 自ら望んだ職種で管理職として働き、一般的にはやりがいも収入も十分なはず。しかしXさんには一定のスパンで不測の事態が訪れます。家族の病気による出費、職場でのトラブル、休職せざるを得ない事情... などです。順調に進んでいたはずの自分が、気づくとまた「まだ足りていない」状態に戻ってしまうー。 なぜ、このような現実が起きるのか。理由のひとつとして、Xさんの信念が「常に自分に無理を生じさせている」ことが考えられます。 望んだ職種で十分な収入を得る生活を送っていても「まだ足りていない」と感じているXさんは、いつも無理をしています。「好きな仕事をしているのだから私は“もっと”頑張って成長すべき」「管理職として“もっと”信頼されて上を目指したい」。もちろん向上心は素晴らしいのですが、日々、業務の忙しさと家庭との両立に追われ、自分の時間を確保できない状態が続き、徐々にバランスが崩れ始めます。 バランスを失ったXさんには余裕がありません。 家族が体調を崩しても十分にケアできず、職場では業務や人間関係に小さな亀裂が入り始めます。これらが後に家族の病気や職場でのトラブル、さらには自らの体調不良をも招いてしまいます。その結果、信念どおりの現実が目の前に現れます。 ◆営業しなくても新規案件がやってくるYさん 信念:「仕事は向こうから寄ってくる」 Yさんは起業当初から「営業はしない」と決めていました。その理由は「“営業しないと売れない”という前提を採用したくない」と思ったからです。 「自分にはそれなりの能力があるし、今後もその能力を高めていく。だから「私を必要とする人は “必ず向こうから見つけてくれる”」と信じています。そんなYさんには、いつも思いがけない形で新規案件が訪れます。ある時は、Yさんの知人と偶然、知り合った人から。またある時は、たまたまYさんの情報を見かけた企業から。営業活動は全くしていないにも関わらず、新規案件に困ることはありません。 Yさんは営業をしないと決めているので、実務以外の時間を、自分の能力を高めることに使えます。 新たな知識や技術を得ることでスキルも増え、お客様に提案できることが広がります。また「営業しなきゃ」という焦りがなく心に余裕があるため、商談では、いつもYさん自身が楽しみながら丁寧に話をします。 その結果、お客様は「他の会社より親身に多くの提案をしてもらえる」と好印象を持ちます。 そして、知人に「良い提案をしてもらえて成果もあった」と話したくなるのです。Yさんは、このクチコミによっても新規案件を獲得でき、信念どおり、仕事の方がYさんに寄ってくる状態を実現しています。 なぜ信念が行動や感情を決めるのか 信念は、単なる考えや主義ではなく「行動や感情の前提」です。なぜなら信念とは、これまでの体験や得た情報、受け入れた価値観と情動記憶によって作られ、アティテュード(無意識の判断)にまで影響を及ぼしているからです。 アティテュードとは、フランス語で「態度」「姿勢」「様子」などを意味する言葉です。コーチング用語では「無意識の判断、行動の性向、出来事に対する受け止め方や反応などの態度のこと」です(田島大輔. マインドの教科書. 開拓社, 2021, p.280)。 例えば、前述のXさんの場合、多忙を極めて心身ともに疲弊してしまった時でも「もう少し頑張らなきゃ」と無意識に判断し、無理を続けてしまいます。 Yさんの場合は、新規案件が少し停滞した時でも「学ぶ時間が増えてラッキー」「今のうちに新たなスキルを身に付けよう」と無意識に判断し、焦ることなく時間を有効に使います。 このように、信念は、アティテュードを通して行動や感情を決めています。 そしてアティテュードが影響し、信念に沿った行動や感情を選びます。そのため、結果として信念どおりの現実が起こるのです。
- 信念が人生にもたらす影響② ー信念を変えて望みを実現させる
前回の記事 では、信念がどのように現実を形作っているのか、なぜ信念が行動や感情を決めるのか、そして信念が現実化するもう1つの可能性について書きました。今回は「信念を変えて望みを実現させる」がテーマです。 1. 信念を変える 望みを実現させるには、信念を変える必要があります。信念の多くは私たちの無意識* の領域に保存されています(*ここでは、意識=明確に認識できている領域、無意識=明確に認識できていない領域、と定義します)。そして無意識では、信念に基づき膨大な量の自動処理が行われています。自動処理には、ハビット(無意識の行動)と、アティテュード(無意識の判断)があります。ハビットは「慣れ」や「習慣」、アティテュードは出来事に対する受け止め方や反応などの「態度」のことです(田島大輔. マインドの教科書. 開拓社, 2021)。 信念を無意識のままにしておくと同じ現実が繰り返されます。「酒は百薬の長」という信念を持つ人は「適量の酒は薬にも勝る」と飲酒に対してポジティブな印象(アティテュード)を抱き、晩酌が習慣(ハビット)となります。しかし自分の飲酒量を冷静に見つめ「少し飲み過ぎている」と気づいた時、または何らかの情報に触れ「肝臓に負担がかかっている」と感じた時、ポジティブだったアティテュードが揺らぎます。そして「より健康になる」というゴールを持つと、酒量を減らすために晩酌の習慣も変化します。飲酒に対する信念を変更せずに、ゴール(酒量を減らすこと)を達成するのは難しいでしょう。 2. 信念を観る、疑う 信念を変えるには、まず、自分が無意識に信じてきたことや自分の前提となっていることを具に観る必要があります。「観る」という字を使った理由は、仏教用語の「観自在」にあります。観自在とは、すべての物事を自由自在に見ることです。例えば「苦労しなければ収入を得ることはできない」という信念があったとします。この信念を観自在に見ると「世の中には好きなことで楽しく稼いでいる人も多い」「不労所得を得ている人もいる」など、信念とは異なる現実にも気づくことができます。 自分の信念以外の現実に気づいたら、次は、自分の信念が何から構築されてきたのかを探ります。前述の例なら「親の口癖だった」「教師が言っていた」かもしれません。大抵の場合、私たちの信念は、まわりの目上の人間や環境、経験、メディアの情報などから刷り込まれています。自らが全くゼロから発案したという信念はないはずです。この技術革新と環境変化の激しい時代において、目上の人間が信じていたことが、現在のあなたに通用するとは限りません。それらはむしろ「過去の情報」と位置づけ、しっかりと精査する必要があります。 自分の信念の根拠が判明したら、その信念を一度、徹底的に疑います。信念に対して疑問を投げかけても良いでしょう。なぜ人は苦労と収入をセットで語りたがるのか? 時に苦労話が自慢話になっていないか? 好きな分野なら、そもそも“苦労”という感覚になり得ないのでは? 苦労を続けていながら十分な収入を得ていない人も多いのでは? など、思いつくままに疑ってみます。 このプロセスを通して、自分の信念は「あらゆる可能性の中の小さな1つに過ぎない」こと、そして「あらゆる可能性から本当に望む考え方や価値観を選んでいい」ことが実感できます。 3. ゴールに基づき、信念を意識的に選択する 自在に観て、十分に疑った後、心から望むゴールに基づいて信念を意識的に選択します。冒頭で信念の多くは無意識の領域に存在していると書きましたが、信念の見直しは「信念を意識化する」プロセスです。無意識に持っていた信念を観るには、認識する必要がありますから当然です。信念を意識化できたら、あらゆる可能性の中から「心から望むゴール」を決め、そのゴールに基づいて改めて信念を選びます。 心から望むゴールは、あなたの本音から発現します。自分は収入を得るために本当に苦労したいのか? と自問した時、本音で「苦労したい」と思える場合は、改めて「苦労しなければ収入を得ることはできない」という信念を選んでも良いのです。結果的に内容は同じかもしれませんが、無意識に持ち続ける信念と意識的に選択した信念は、明らかに異なります。もし「本当は苦労したくない」という本音があるなら、心から望むゴールは別のところにあります。 本音に気づき、心から望む状況のイメージが浮かんだ時、ゴールを設定します。そして設定したゴールに相応しい信念を採用します。「収入のために苦労したくない」という本音に気づいたら、自分が心から望む状況が浮かんでくるはずです。例えば「素晴らしい仲間と意義ある事業を行いたい」「多くの人に貢献できて自分も成長できる環境で働きたい」「多少の困難を“苦労”と感じないほど好きな分野で活躍したい」といったイメージかもしれません。これらのイメージに相応しいのは「自分は好きな分野で仲間や機会に恵まれ、多くの人に貢献することで収入を得ている」という信念です。 現在の自分が変化すると、世界線が移行し、訪れる未来も過去の意味合いも変わります。世界線とは、本来は物理学用語で時空における物体の軌跡を表す言葉です。同時にパラレルワールド(並行世界)や、特定の結果に至る可能性の道筋、分岐する可能性のある未来を指す言葉としても使われています。下図は、現在の自分が変化した時の世界線、未来と過去の変化を表しています。今回の記事は信念をテーマに書きましたが「現在の自分」は、信念以外にもさまざまな要素で構成されています。自分の構成要素の変化によって、世界線が変わり、訪れる未来、つまり現実化する事柄も変わります。コーチング及びセルフコーチングは、この理論に基づき「心から望む未来への世界線に移行しゴールを達成する」ための手法です。






